白内障の進行のスピードは人によって違いますが、10年、20年かけてゆっくりと進行します。
症状も、人によってさまざまな形で現れます。
物が二重に見えたり、ぼやけて見えたり、さらに進行すると視力が低下していきます。
重度の白内障では、目の中の水晶体が白く濁ってしまった状態が見た目にも分かります。
人によっては白内障になっていても80歳でも生活に影響のない場合もあります。
自覚症状がほとんどなく、瞳孔を開く検査(散瞳検査)で水晶体を観察すると、80代では大部分の人の水晶体が白く濁った白内障が発見されます。
白内障の原因は主に加齢によるものと考えられていますが、早い段階での白内障の患者さんいらっしゃいます。
30†40歳代からの発症は、糖尿病やアトピー性皮膚炎などの合併症の可能性が高く、外傷や薬の副作用、先天性のものなどがあります。
最近、白内障の原因として注目されているのが紫外線などによる「活性酸素」です。
年を取って視力が落ちてきたからといって、すべてが白内障というわけではありません。
中には網膜の障害や光を感じる神経から脳に至る経路の障害などが原因で視力が落ちる場合もありますので、加齢による白内障だと勝手に自己判断するのは危険です。
白内障かな?と感じたら、自己判断せず、病院やクリニック等で検査して貰うようにしましょう。
初期の白内障ならば、点眼薬で進行を遅らせたり視力低下の改善も可能です。
白内障の治療は、ごく初期の白内障であれば、点眼薬で進行を遅らせることができる場合もあります。
しかし、一度濁ってしまった水晶体を元に戻すことはできません。
進行した白内障に対しては、濁った水晶体を手術で取り除き、眼内レンズを挿入する手術を行うことが一般的な治療になります。
手術時には局所麻酔が行われるので、手術中に痛みを感じることはありません。
手術時間も、麻酔や消毒といった準備の時間を入れても30分†1時間で終わります。
入院期間は3日†1週間ほどです。
最近では、入院の必要のない日帰り手術を行う病院も増えてきました。
白内障手術費用は、保険適応となります。
白内障の手術の時期やタイミングも人それぞれですので、掛かり付けの眼科医に相談して決めるようにしましょう。